「トランプ政権の新たな核戦略と日本への影響」という

「トランプ政権の新たな核戦略と日本への影響」という村野将氏の記事を紹介します。
米国の核戦略や核戦力態勢を書き込んだNPRの分析は過去のコミュでも貼っているので興味があればご覧ください。
今回は影響面の分析で、前編は、宣言政策に関する記述で、後編は、核戦力態勢の分析です。
[前編]
今回のNPRでは従来の核テロに対する対応という大戦略から大国間競争への対応へ大きくシフトチェンジされています。ミアシャイマーも結局は覇権争いになると分析されていましたが、今回はミアシャイマーの読みが当たったと言っても過言ではありません。奥山真司先生も同様の評価をされています。それはともかくとして、核戦略においても核は核抑止のための唯一の目的という従来の考えは取っ払い、あらゆるものに適応させるという旨が記述されているとのことです。つまり、戦術核等の研究、配備も検討され始めたわけです。この点は江崎先生もチャンネルくららで仰っておりましたね。
[後編]
SLBM(潜水艦発射型弾道ミサイル)等に搭載する核弾頭を低出力にし、あらゆる事態に対応できるよう、開発が検討されるとのこと。また、核SLCM(海洋配備型核巡航ミサイル)の後継開発計画も分析されています。当分析において、海洋配備型の開発が注目されているなと感じました。ICBMでは、例えば北朝鮮に核攻撃を仕掛けるにしてもロシアや中国上空を通らなければならず、最悪の場合、自国に対する核攻撃と誤認し、意図せぬ核報復を受ける可能性もあり、かなりのリスクがあるとのこと。LRSO(空中発射型核巡航ミサイル)とDCAを配備してもA2/ADなどの接近阻止戦略において、戦力が潰され、即応性が保たれない可能性もあります。しかし、低出力のSLBMやSLCMでは、様々な作戦領域において潜水艦は活動可能なので、あらゆるオプションを持つと期待されています。巷に言われる核共有や核持ち込みは、政治的反発は大きいとされますが、潜水艦配備であれば、日本近海においても作戦可能ですし、我が国の核抑止にも大きく寄与するものであろうかと思います。

今回の記事はかなり専門的に書かれていますので、詳細を知りたい方は是非以下よりご覧ください。

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